めまいは、突然起こることが多く、とても不快な症状です。めまいでお困りの方は、加齢に伴い多くなる傾向があり、年々増えてきています。
めまいは多くの方が経験され、自然に治まるだろうと軽視されがちです。しかし、重大な病気が潜んでいる場合もあります。病気がめまいの原因となっている場合は、耳や脳に異常が生じていることが多く、もとの病気を治療する必要があります。また、ストレスや生活習慣の乱れからめまいが起こる場合もあります。
めまいは、大きく3つに分類することができます。自分自身や周囲がグルグル回っている感じがする「回転性めまい」、体がフワフワ浮いた感じがする「浮動性めまい」、立ち上がった瞬間にクラッとする「立ちくらみ」です。
めまいが続くと、日常生活に支障をきたし、不安を感じるようになります。その不安がさらに症状を悪化させることになります。めまいに対する不安を解消し、対策を立てるためには、めまいについて知ることが大切です。
めまいについて事前に知っておくと、予防するための心がけや、突然めまいが起こったときの対応の仕方がわかります。このページでは、めまいでお困りの方のために、めまいとの上手な付き合い方や対処法について詳しく説明しております。
【目次】
1.めまいの傾向の探り方
めまいは大きく分けて3タイプあり、原因は非常に多岐に渡ります。めまいに伴う症状もさまざまで、自然に治まるめまいもあれば、重大な病気が関わって緊急を要するめまいもあります。めまいの原因によって対処の仕方が異なります。
めまいの起こり方に傾向や規則性があることがわかれば、めまいに対処しやすくなります。どういうとき、どのような状況でめまいが起こりやすいかを把握するために、「めまい日記」をつけることをお勧めします。
「めまい日記」は、医師の診察を受ける際にも役立ちます。医師が「めまい日記」を見て、めまいが起こる原因や規則性を見つけてくれるかもしれません。そうすれば、めまいを予防するための対策や、めまいが起こったときの対処法を考えることもできます。
「めまい日記」には、日付、天気、気温、睡眠時間、その日の行動も書いておきましょう。意外なところに原因が見つかり、症状改善の糸口となるかもしれません。
「めまい日記」に書いておきたいこと
- めまいが起きた時間帯とそのときの状況
- めまいが続いた時間
- めまいの症状の特徴
- めまい以外の症状(頭痛・吐き気・耳鳴りなど)
- 思い当たるめまいの原因
- 薬の服用状況
2.めまいが起きたときの対処法
めまいが起きたときの対処法として一番大事なことは「安静にすること」です。緊急を要するような症状(激しい頭痛、ろれつが回らない、意識障害)を伴う場合は、すぐに救急車を呼んでください。そうでない場合は、安静にしてめまいの症状が落ち着くのを待ちましょう。
・安静にする
静かな場所で、部屋を暗くし、横になってめまいが落ち着くのを待ちます。光や音は脳を刺激し、めまいが悪化するので、目や耳から入る刺激は遠ざけましょう。
頭もできるだけ動かさず、ベルトやネクタイはゆるめて楽な姿勢を保ちます。外出中、乗り物の中でめまいを起こした場合は、できるだけ早く降りて安静にしましょう。
・助けを呼ぶ
激しいめまいで動けない状態のときや、道路横断中など危険な場所でめまいが起こった場合などは、周囲の人に助けを求めましょう。
・薬を飲む
医師から処方された常備薬がある場合は、薬を飲んで症状が落ち着くのを待ちましょう。
・運転をやめる
めまいがある間は運転をしてはいけません。運転中にめまいが起きた場合は、できるだけ早く車を停めましょう。
・ツボを押す
ツボを押すことで、めまいの症状が軽くなることがあります。
平衡感覚を戻す:
完骨(かんこつ)・・・耳の後ろにある出っ張った骨の下
頭竅陰(あたまきょういん)・・・耳の後ろにある出っ張った骨の上
血流を整える:
外関(がいかん)・・・手首のシワの中央から指3本分下
百会(ひゃくえ)・・・頭頂部
3.日常生活に潜むめまいの危険因子
日常生活に潜むめまいの危険因子にはいろいろなものがあります。生活習慣に関連する病気でめまいの原因となるものに、メニエール病や突発性難聴、高血圧症などがあります。以下の項目に思い当たるものがあれば修正を心がけ、めまいにつながる行動を控え、予防に努めましょう。
・運動不足
運動習慣がないと、血行が悪くなり、めまいの原因となる可能性があります。ストレッチやウォーキングなどを取り入れてみましょう。
・ストレス
ストレスは自律神経を乱し、メニエール病や突発性難聴の原因となり、めまいを引き起こす可能性があります。趣味や軽い運動などをすることで、ストレス解消を図りましょう。
・不規則な食事
栄養が不足すると血行不良となり、めまいが起こりやすくなります。できるだけ決まった時刻に食事を取るようにしましょう。肥満や塩分の取り過ぎは高血圧になる危険性があるので、バランスの良い食事で食べ過ぎに注意しましょう。
・喫煙
ニコチンが血管を収縮させるため、血流が悪くなり、めまいが起こりやすくなります。
・大音量での音楽鑑賞
・質の良い睡眠が取れていない
睡眠不足は自律神経を乱し、浮動性めまいの原因となります。就寝・起床時刻を定め、生活リズムを整えましょう。
・体の冷え
エアコンや薄着で体が冷えると、血行が悪くなり、めまいを起こす可能性があります。上着を着るなど、体を冷やさない工夫をしましょう。
・カフェインの取り過ぎ
コーヒーや紅茶、栄養ドリンクなどを飲み過ぎると、カフェインの作用で興奮したり、夜間トイレに起きたりして、睡眠不足の原因となり、めまいにつながります。
・過度の飲酒
お酒を飲み過ぎると、脳の機能が低下し、生活リズムも乱れがちになります。適量を心がけましょう。
4.めまいと共に現れたら危険な症状
めまいの多くは、安静にしておけば自然に治まっていきます。
しかし、命に関わるような「危険なめまい」もあります。「めまいと共に現れたら危険な症状」というものがいくつかあります。
危険な症状を伴う場合は、迅速な対応が必要となります。危険な症状とはどのようなものか事前に知っておくと、突然「危険なめまい」が起こったときにスムーズに対応できます。
めまいと共に以下のような症状が見られる場合は、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、椎骨脳底動脈循環不全(ついこつのうていどうみゃくじゅんかんふぜん)など、脳の異常が考えられます。
この場合は、命に関わることも考えられますので、早急な処置が必要となります。様子を見るのではなく、すぐに救急車を呼びましょう。
- ろれつが回らない
- 気を失いそうになる
- 手足がしびれる
- 物が二重に見えるなど、普段と見え方が違う
- 激しい頭痛・吐き気・耳鳴りがある
- 顔面に違和感がある
- 難聴がある
めまいは、よく見られる症状です。生活習慣を見直すことで改善できるめまいから、緊急を要するめまいまで、さまざまです。
めまいが気になりだしたら、まず原因を特定することが大切です。原因に応じた適切な治療を行うことで、めまいの症状を改善することができます。めまいは、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。