コリン性蕁麻疹(こりんせいじんましん)とは、汗をかいた時に皮膚に赤いポツポツができる病気です。この赤いポツポツは膨疹(ぼうしん)と呼ばれ、コリン性蕁麻疹は蕁麻疹の一種です。
コリン性蕁麻疹は、子供さんから若い世代の成人に多く発症する傾向があります。原因は不明ですが、汗がでるときに現れやすい傾向があります。コリン性蕁麻疹の主な治療法は、抗ヒスタミン薬などを使用した薬物治療です。しかし、小児の場合は数ヶ月から数年で自然に治ることもあります。
汗をかきやすい運動時や入浴時に、体のどこかでかゆい部分があり見てみたら赤いポツポツがある。そのような場合は、コリン性蕁麻疹の可能性があります。
コリン性蕁麻疹を治すためには、コリン性蕁麻疹の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、コリン性蕁麻疹を治したい方のために、コリン性蕁麻疹の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
【目次】
1.コリン性蕁麻疹とは?
コリン性蕁麻疹とは、蕁麻疹(じんましん)の一種です。蕁麻疹は、何らかの影響で皮膚の一部が赤く盛り上がり(膨疹)、時間が経てば消えていきます。
コリン性蕁麻疹の膨疹は、体温が上昇して汗をかいたときに出やすい傾向があります。そのため、コリン性蕁麻疹の場合、この「何らかの影響」が汗だと考えられています。
コリン性蕁麻疹で生じる膨疹の大きさは、1~4ミリ程度の小さなものです。この膨疹は、多くの場合かゆかったり痛かったりします。小さな膨疹がつながって大きく見えることもあります。
コリン性蕁麻疹は10~20代の年代に多い傾向があり、小児の場合は自然に治ることも多いと言われています。しかし、何日も症状が続くようであれば、他の病気の可能性もあるため、早めに医療機関を受診したほうが良いでしょう。
2.コリン性蕁麻疹の症状
コリン性蕁麻疹の症状は、「汗をかいたときに出やすい」という特徴があります。膨疹は多くの場合、30分から1時間ほどで消失します。コリン性蕁麻疹では、かゆみと同時に痛み(稀に激痛)も生じることが多いと言われています。
コリン性蕁麻疹は発汗刺激により生じることが多いですが、ストレス・疲労・不安・興奮なども、コリン性蕁麻疹を引き起こす恐れがあります。
(1)コリン性蕁麻疹の主な症状
- かゆい
- 小さな膨疹ができる
- チクチク、ピリピリした痛みがある
(2)コリン性蕁麻疹の症状がでやすいタイミング
- 入浴時
- 運動時
- 緊張しているとき
- 夏などの暑い時期
- 辛いものを食べたとき
(3)その他のコリン性蕁麻疹の特徴
- 夏に症状が悪化しやすい(汗をかきやすいため)
- 発症ピークは小児から20歳代で、年齢を重ねるごとに症状が軽くなる傾向がある
3.コリン性蕁麻疹の原因
コリン性蕁麻疹の原因は、残念ながらはっきりわかっていません。しかし、コリン性蕁麻疹は運動・入浴・緊張したときなどに症状が出やすいことから、これらに共通する「汗」が強く関係しているのではないかと考えられています。
どうして汗がコリン性蕁麻疹の引き金となってしまうのでしょうか?これに関わっているのは「ヒスタミン」という成分です。ヒスタミンは通常細胞の中に貯蔵されており、何らかの外部刺激が加わると細胞外に放出されます。コリン性蕁麻疹の場合、この外部刺激が「汗」ということになります。
それでは、もう少し詳しく皮膚で起こっていることをご説明いたしましょう。
汗がアセチルコリンを誘発する
↓
アセチルコリンが肥満細胞を刺激する
↓
肥満細胞からヒスタミンが放出される
↓
放出されたヒスタミンが血管や神経を刺激する
上記のように、いくつもの成分や細胞が連鎖的に反応することでコリン性蕁麻疹の症状が引き起こされます。血管が刺激されると血漿成分が細胞外に滲みでて皮膚が膨れ、神経が刺激されるとかゆみが誘発されるためかゆくなってしまうのです。
4.コリン性蕁麻疹の治療
コリン性蕁麻疹の治療は、薬物治療が中心となります。ストレスによる精神的緊張が原因と考えられる場合は、ストレスを緩和するために心理療法なども試されます。
(1)コリン性蕁麻疹の薬物治療
- コリン性蕁麻疹の原因と考えられている「ヒスタミン」の作用を抑える薬を服用します。
- 精神的な影響が大きいと考えられる場合は、漢方薬や抗不安薬が処方される場合もあります。
(2)日常生活でできること
コリン性蕁麻疹の症状を悪化させないためには、悪化因子をさけることも重要なポイントとなります。できる範囲で気をつけてみましょう。
- 熱いお湯でお風呂に入らない
- 汗をかいてしまったら、なるべく早く体温を下げる
- 過度な緊張や不安を避ける
- ストレスや疲労をためない
コリン性蕁麻疹は、自律神経のバランスとの関連が深い病気です。物理的・精神的にこころやからだを穏やかに保つことにより、コリン性蕁麻疹の症状が改善する事が多くあります。コリン性蕁麻疹は、自律神経のバランスを整え、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。