舌痛症とは、舌に外見上の異常がみられないのにもかかわらず、舌がひりひりしたり、しびれるような感じが続いたりする病気です。舌痛症は別名、口腔内灼熱症候群(こうくうないしゃくねつしょうこうぐん:バーニングマウス症候群)ともよばれます。
男性より女性のほうが舌痛症を訴える割合が多く、年齢別だと40代~60代に多くみられます。舌痛症などの慢性的な疼痛は大きな心理的ストレス後にかかりやすいと言われています。
舌痛症の特徴として、食事中や口に何かが入っているとき、会話をするときには痛みを感じないことが多く、また、舌痛症の症状でお悩みの方の約6割の方に味覚障害を伴うことが報告されています。
舌だけでなく、くちびるや上あごの粘膜などに痛みが生じることもあります。しかし、食事中に痛みは感じにくいようで、むしろガムなどを噛んでいる方が痛みを感じにくいことが多いようです。
舌痛症を治すためには、舌痛症の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、舌痛症を治したい方のために、仮面うつ病の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
1.舌痛症とは?
舌痛症とは舌をはじめとする、口の中の粘膜に痛みが生じる病気です。舌痛症の特徴として、視診や触診ではこれといった異常がみられないのに、舌に痛みや熱さを感じるといった特徴があります。
国際的には、舌痛症は「口の中のヒリヒリ、カーッとした痛みまたはピリピリした不快な異常感覚が、1日に2時間以上で3カ月以上にわたって連日繰り返すもので、臨床的に明らかな原因疾患を認めない病態」と定義されています。
また、舌痛症の痛みは食事をしているときや会話をしているときは気にならないことが多く、じっとしているときに舌の痛みが気になるという方が多いようです。ですから、無意識にガムを噛んでいると言った方が多く見かけられます。
痛みの訴えは主観的なものであり、他人が推し量ったりすることが難しいために、他人や家族などからも理解してもらえないことが多く、ストレスを感じられる方も多いようです。
痛みの度合いは1日のうちで変化し、睡眠不足やストレス、暑いものや辛い物などの刺激物質でも悪化します。ビタミンB・亜鉛の不足や貧血、糖尿病、感染症、薬の副作用や、歯科治療での金属物のアレルギーなども同様の症状を呈するため、鑑別が必要なこともあります。
2.舌痛症の症状
舌痛症の症状には、以下に挙げられるような症状がみられます。
- 舌に痛みがあるが、見た目の異常は認められない
- 舌だけでなく、唇や上あごなどの粘膜にもヒリヒリ、ピリピリ、ジンジンした感じや熱い感じがする
- ヒリヒリした感じやピリピリした感じが3ヶ月以上続いている
- 舌の痛みは日によって場所や痛さの程度が違う
- 食事や会話をしているときには痛みが気にならない
- 口が乾燥している感じがする
- 口の中がざらざら、べとべとしている感じがする
- 味覚が異常、変わった感じがする
- 舌の置き場がわからないような感じがする
このような症状に当てはまる方がいれば、舌痛症の可能性があります。痛みだけではなく、口の中の違和感も含まれます。口腔内が乾燥すると症状が現れやすく、痛みで目が覚める、眠れないという訴えは聞かれません。
3ヶ月以上続く原因がわからない舌の痛みでお悩みの場合は、一度歯科医院や口腔外科などの専門の医療機関を受診しましょう。
3.舌痛症の原因
舌痛症のはっきりとした原因は、残念ですが現在までのところ明らかになっていません。
しかしながら、舌痛症は40代~60代の女性に多くみられる病気であることから、ホルモンバランスや自律神経の乱れなどが関係している可能性が考えられています。
家事や仕事が忙しかったり、疲れがたまっていたり、風邪や病気を発症していたときなどをきっかけに舌痛症を発症される方も多いことから、「ストレス」との関係性も指摘されています。
「ストレス」という点で、家庭環境、社会環境、人間関係の変化などの精神的な原因も舌痛症の発症を引き起こす可能性があるようです。例をあげますと、引っ越しや結婚、離婚、仕事での部署替え、子どもの独立などの転機が原因となることもあるようです。
また、歯並びを矯正するための器具や入れ歯、かぶせ物などによる物理的刺激のほか、金属アレルギーも人によっては舌痛症の原因となる場合があり、味覚障害を伴う舌痛症であれば血中の亜鉛不足が原因となっていることもあります。
他にも、薬の副作用や糖尿病、貧血、ウイルスなどによる感染症などにより、同様の症状が現れることもあります。その場合には原因となる病気の治療が最優先となります。
4.舌痛症の治療
先ほどもお話ししたように舌痛症は原因がわかっておらず、その症状に対する治療、つまり痛みのケアが主なものになります。
一般的に行われる治療方法としては、お薬を用いた薬物治療やホルモン治療などがあります。薬物治療で使用されるのは、消炎鎮痛薬、うがい薬、抗うつ薬などです。
しかしながら、このどれもがはっきりと舌痛症に対して十分に効果を示すというわけではなく、人によって効果はさまざまです。このような治療方法で舌痛症の痛みが軽減する方もいれば、何もしなくても自然と舌痛症が改善される場合もあります。
矯正器具や入れ歯、かぶせものなどが原因となっている場合は、医療機関で器具の調整等を行う必要があり、亜鉛が不足している場合には亜鉛剤を服用する必要があります。
日常生活のストレスにより、舌痛症が生じている場合もありますので、その場合は心療内科や精神科などでのカウンセリング治療を行うことにより舌痛症が改善する可能性もあります。
日常生活の中でストレス軽減を行い、痛みとうまく付き合って行くのが最善の方法です。ストレス発散のための軽い運動や外出など気分転換ができるようにしてみましょう。不眠のストレスなども影響を及ぼします。規則正しい生活を心がけましょう。
また抗うつ剤と聞くと、抵抗を感じる方も多くいらっしゃいます。しかし、舌痛症のように舌だけに限らず、慢性的な痛みに悩まされている方には同様の身体的、環境的な傾向があると言われています。
ストレス軽減のための精神科や心療内科での受診は日本以外の外国ではよく行われている治療です。特に抗うつ剤は慢性的な痛みに効力を発揮することがありますので、医師と相談してみましょう。
他人に理解してもらいにくいストレスも舌痛症を悪化させます。家族や友人など身近な方の協力やサポート、理解も重要です。長期にわたる舌痛症でお悩みの方は、専門の医療機関で思い当たる原因などを相談し、ご自身にあった治療方法を試してみましょう。
舌痛症は舌に何らかの異常がみられないにもかかわらず、舌をはじめとする、くちびるや上あごなどにピリピリした感じやじんじんする熱さを感じる病気です。
舌痛症でお困りの方にとって、見た目でもわからず、周囲の人にも理解してもらいづらいため、一人で不安になってふさぎ込んでしまう場合も多くあります。また薬物などでの治療も効果を示しにくく時間がかかるために、いくつかの病院や診療科にかかられる方もいらっしゃるようです。
カウンセリングや慢性疼痛などのお薬など精神科や心療内科の受診や治療に強い抵抗を示される方もいらっしゃるため診断に時間を要することもあります。
舌痛症について詳しく知ることで不安を解消することができ、また日常生活の改善、家族の理解やサポートも症状を和らげることがあります。どうぞ諦めないでください。