起立性調節障害で来られている方が「どうしたらいいですか?」と言われました。ずっと朝が起きるらのがつらかったのですが、最近良い状態が続いておりました。
ところが、先週はもう一つ起きるのがコントロールできなかったようでした。そこで先程の質問をされたようです。
初めて聞かれました。私はとても良い兆候だと思いました。自分の意思が出てきたからです。
「どうにかしないかと」
起立性調節障害の症状が出ると、気持ちも身体も前向きになれません。その状態に慣れてしまうものです。自分で方向を決めれる兆候です。
あとひと踏ん張りで次の段階、もっと元気になれますよ。頑張りましょうね!
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線維筋痛症とは、全身のいろいろな場所で慢性的な痛みが生じる病気です。その痛みは関節・筋肉・腱などで起こりやすく、強い痛みが慢性的に続くことがあります。つらい状態が続くため、不眠・うつなど他の病気に発展してしまうこともよくあると言われています。
線維筋痛症を発症してしまうはっきりとした原因は不明ですが、脳の情報処理過程に問題があるのではないかと考えられています。
線維筋痛症は、中高年以降の女性に多い傾向があります。しかし、線維筋痛症は検査などで異常が見つかりにくく、診断が難しい病気です。そのため、更年期障害などの他の病気と診断されているケースも多くあると予想されます。
線維筋痛症を治すためには、線維筋痛症の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、線維筋痛症を治したい方のために、線維筋痛症の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
1.線維筋痛症とは?
線維筋痛症とは、慢性の痛みやこわばりを感じる病気です。この症状は全身のいろいろな場所で起こる可能性があります。
線維筋痛症では、痛い場所を調べても異常を見つけることは難しく、血液検査や画像検査をしてもおかしなところは見つかりません。しかし、「痛い」という症状ははっきりと存在しているため、この痛みの範囲や強さを調べることで線維筋痛症を診断していきます。
線維筋痛症の診断には、下記の2つのポイントが参考にされます。
- 広範囲に感じる痛みが3ヶ月以上続いている
- 定められている18カ所の内、11カ所以上で痛い場所がある
線維筋痛症では、御本人の「痛い」という訴え以外に病気を示す証拠が見つかりません。そのため、周囲の理解を得にくいことも多く、その点に悩まれている方も多くいらっしゃいます。
2.線維筋痛症の症状
線維筋痛症の症状は、慢性的な激しい痛みです。線維筋痛症では、痛み以外にも耳鳴り・腹痛・頭痛・ドライアイ・倦怠感など多くの随伴症状が報告されています。
このことから線維筋痛症は死に至る病気ではないものの、痛みをはじめ多種多様の症状にお困りの方が多くいらっしゃる病気といえます。
線維筋痛症の特徴
- 朝に悪化しやすい
- 痛み方が一定ではない
- こわばりを伴うことも多い
- 痛む部位が移動することがある
- 疲労、ストレス、天候などより症状が左右される
- 髪が触れるような軽い刺激であっても強い痛みが生じる
線維筋痛症は、他の病気の影響を受けて発症することもあれば、症状のつらさから新たな病気を招いてしまうこともあります。
(1)線維筋痛症を引き起こす可能性がある病気
- 関節リウマチ
- 変形性関節症
- 強直性脊髄炎
- シェーグレン症候群
- 全身性エリテマトーデス
(2)線維筋痛症を発症した結果、招いてしまう恐れがある病気
- うつ病
- 不眠症
- 自律神経失調症
3.線維筋痛症の原因
線維筋痛症の原因は、はっきりとわかっていません。しかし、脳の痛みに関する情報処理過程で機能障害が起きているのではないかという説が有力です。
皮膚など体のどこかで何らかの刺激が加わると、その刺激は電気信号となり脳に伝わります。この情報により脳は「痛み」を認識します。
脳は痛みに関して、「アクセル(痛みの信号を伝える)」と「ブレーキ(痛みの信号を抑える)」の2つの機能を備えています。しかし、何らかの原因でこの機能に障害が生じると問題がおきはじめます。
車で例えるなら、アクセルを踏み込みすぎているまたはブレーキがききにくいという困った状態です。この暴走状態では、本来では痛みを感じないくらいの小さな刺激でも強い痛みを感じることがあります。
体のどこかに痛みを感じたら、その場所に問題があるのではないかと考えるのではないでしょうか?しかし線維筋痛症の場合、問題は「痛む場所」ではなく「痛みを感じる過程」において生じているので、痛む場所を調べても痛みの原因が見つからないのです。
このような脳の機能障害は、以下のようなものがきっかけとなり生じやすいと考えられています。
- 遺伝の影響
- 身体的・精神的ストレス
- 怪我・事故・手術・病気など体へのダメージ
4.線維筋痛症の治療
線維筋痛症の治療には、確立された方法がまだありません。
しかし、強い痛みや他の症状により日常生活に支障が生じてしまうケースが少なくありません。
そのため、お困りの症状を和らげる対処療法が中心となります。
(1)薬物療法
脳の痛みに関する情報処理が円滑になるような薬剤を処方します。
- アクセルがききすぎている→興奮を抑える薬
- ブレーキがききにくい→働きを強める薬
その他、うつ状態でお困りの方には抗うつ薬を、眠れなくてお困りの方には睡眠導入剤など、お困りの症状にあわせた薬が処方されます。
(2)運動療法
運動することで筋肉の緊張を取り、痛みを和らげます。体に心地よい負荷を与えることで、良い睡眠にも繋がります。
(3)認知行動療法
自分の物事の受け取り方や考え方のパターンを理解して、ストレスに上手に対応できる状態を作れるように訓練します。
(4)心理療法
線維筋痛症では、ストレスが症状を悪化させてしまう大きな要因と考えられています。ストレスが和らぐようにカウンセリングなどでアプローチしていきます。
線維筋痛症は自律神経のバランスの乱れを大きく引き起こします。このため、自律神経失調症の症状が出やすくなります。自律神経のバランスを戻すための治療も効果的です。
線維筋痛症は、長期の治療が必要になるかもしれない病気です。早期に発見して治療を始めることにより、線維筋痛症の症状が改善する事が多くあります。線維筋痛症は、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。
今日から診察です。患者さんからポストにたくさんの年賀状が入っておりました。読んでいると嬉しくなりました。本当にありがとうございます。
まだまだ十分にご期待に応えて入れてない点も多くあると思います。一層努力をしていきたいと思います。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
「違う世界がみえました」
頑張って来て頂いている患者さんが話されました。
最初はここに来るにもご家族の方がいなければ来られない状態でした。
少しずつ身体を慣らして行く方針で、最初は帰りに三ノ宮で降りて、センター街の入口迄、次はセンター街の終わりまで、最終は大丸のデパ地下迄行く。
そんなことをじっくりとしながら、気が付けば京都まで行けるようになりました。
そんな自信を取り戻したことから、このような言葉が出たのでしょうね。
もうどこでも大丈夫です。
自分で好きな所に行けるというのは本当に幸せな事ですね。少し時間はかかって申し訳なかったのですが本当に良かったです。
ADHDとは、発達障害の一種です。集中力がない(不注意)・落ち着きがない(多動性)・考えずに行動してしまう(衝動性)などの症状を示します。
ADHDは、幼児期に発症することが多い病気です。症状は大人になっても続く場合があるため、学業や人間関係に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
ADHDの原因ははっきりわかっていませんが、脳の機能異常によるものではないかと考えられています。脳の機能異常に関係性があると考えられるものには、遺伝や環境があります。
ADHDを治すためには、ADHDの症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、ADHDを治したい方のために、ADHDの症状・原因・治療について詳しく説明しております。
1.ADHDとは?
ADHDとは、「注意欠陥・多動性障害(ちゅういけっかん・たどうせいしょうがい)」と呼ばれる脳に機能障害が起きる病気です。発達障害の一種で、女性より男性に多い傾向があります。
ちいさな子供さんのうちに発症する傾向がありますが、子供さんというものは元来元気に動き回り、大人の言うことをきかないものです。そのため、ADHDとは気づかれずに子供時代を過ごし、大人になってから気づくケースも多いと言われています。
ADHDの症状は、努力不足や怠けからきているものではありません。しかし、暗黙の了解や遠慮などが求められる社会生活の中では「出る杭」のように少し目立つ存在になってしまう恐れがあります。
しかし、ADHDの治療を子供さんの頃から開始すれば、高校生くらいには自分の特性や対処法を理解し、セルフコントロールできるようになると言われています。ご自分の苦手なことを理解し、治療を通じて訓練することで、ストレスのない穏やかな暮らしを手に入れることが可能です。
2.ADHDの症状
ADHDの症状は、不注意(集中力がない)・多動性(落ち着きがない)・衝動性(考えすに行動する)の3つの症状が特徴的です。
これらの症状は、短期間でおさまるものではないため、勉強や人間関係の構築などが困難になる場合があります。しかし、これらの症状を「個性」と捉え、周りの方が認識の仕方を変えることで本人も周りの方も楽になっていきます。
(1)不注意
集中力が続かず、継続的に同じことができません。何かをしていても、他のことに注意が向くとそちらに興味が移ってしまいます。これが、物事をすぐに投げ出してしまっているように見えてしまいます。
(2)多動性
じっとしていることが難しく、絶えず動いてしまいます。イスに座り続けていることができなかったり、絶えず貧乏ゆすりをしたりします。
(3)衝動性
なにか気になることがあれば、考えずに行動してしまいます。気になるものがあると、その先に危険が予想される場合でも体が先に動いてしまいます。思いついたことをそのまま言葉にしてしまい、相手を傷つけたり、空気が読めないと言われたりすることもあります。
3.ADHDの原因
ADHDの原因は、はっきりとはわかっていません。しかし、ADHDの方は脳内の神経伝達物質(ドーパミンやノルアドレナリン)の機能が低下している場合が多いことから、このことがADHDの発症に関係しているのではないかと考えられています。
脳の機能異常が生じる要因に、以下のようなものが挙げられます。
(1)遺伝的要因
ADHDは、同じ家族の中で発現しやすい病気です。遺伝する確率は約7割と言われていますが、遺伝になんらかの環境要因が加わることで発症率が高まると考えられています。
(2)環境的要因
- 家庭内の環境による影響(タバコ・貧困・ネグレクト・虐待・食事・睡眠など)
- 妊娠~分娩までの影響(感染症・未熟児・脳への障害など)
4.ADHDの治療
ADHDの治療は、病気の根治を目指すというよりADHDでお困りの方が日常生活や社会生活を送りやすい状態を作ることが目的となります。病気の大元を治すことが一番良いのですが、ADHDの場合それがなかなかに難しいのが現状です。そのため、お薬を使ったり、考え方や行動の仕方を変えたりすることで、より暮らしやすい状態を作ります。
(1)薬物治療
ドーパミンやノルアドレナリンの機能低下を改善するお薬を使用します。しかし、ADHDは薬だけで治すことが難しいため、あくまで補助的な役割といえます。児童では、薬物治療より心理療法などの非薬物的治療が優先されます。
(2)非薬物的治療
心理療法や行動療法などでADHDにお困りの方が、自分の症状を自覚して克服する術を身につけられるようなお手伝いをします。
- 環境調整:視界から誘惑を減らし、集中しやすい環境を作ります。
- ペアレント・トレーニング:ご家族がお子様への接し方を学びます。
- ソーシャルスキルトレーニング:対人関係を円滑にできる方法を学び、訓練します。
ADHDは、適切なケアが必要な病気です。本人や周囲の方がADHDという病気の特性を理解して向き合うことにより、ADHDの症状が改善する事が多くあります。ADHDは、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。
過換気症候群・過呼吸(かかんきしょうこうぐん・かこきゅう)とは、発作的に息苦しくなってしまう病気です。肺や心臓など、体を調べても異常が見つからないことが多いため、こころの病と考えられています。
息苦しさからパニックになり、手足がしびれてきてけいれんを起こしたり気を失ったりすることもあります。この発作は時間と共に自然に収まっていき命にかかわることはないのですが、「死ぬかもしれない」という強い恐怖を感じる方が多いと言われています。
過換気症候群・過呼吸は、20代の若い女性に多い傾向があります。ストレスが引き金になりやすいことから、治療は心理療法が中心となります。
過換気症候群・過呼吸を治すためには、過換気症候群・過呼吸の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、過換気症候群・過呼吸を治したい方のために、過換気症候群・過呼吸の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
1.過換気症候群・過呼吸とは?
過換気症候群・過呼吸とは、呼吸が早くなり息苦しくなってしまう状態が発作的に起きる病気です。
この症状は、緊張や不安などの精神的ストレスが引き金になりやすく、思春期~20代前半の年代に多くみられる傾向があります。男女比では、女性の方が多いと言われています。
過換気症候群・過呼吸が起きた時には、ゆっくりと呼吸して息を整えることが症状を鎮めるために重要です。しかし、頭でわかっていても発作が起きるとどんどん苦しくなって焦ってしまいます。過換気症候群・過呼吸は、発作が起きてしまうと不安な気持ちと苦しい症状がこんがらがって悪循環に陥りやすい病気です。
しかし、過換気症候群・過呼吸の発作で命を落とすことはありません。日頃から発作を起こさないような対策を取り、発作が起きてもパニックにならず適切な処置をすることが、不安なく毎日を過ごすためにはとても重要です。
2.過換気症候群・過呼吸の症状
過換気症候群・過呼吸の症状は、こころとからだの両方で多彩な症状を示します。
過換気症候群・過呼吸では、発作が起きてしまうと混乱して呼吸を整えることが難しくなりますが、呼吸が整うと他の症状も治まっていきます。
(1)こころの症状
苦しい状態が続くため、「このまま死んでしまうのではないか」という不安感を強く感じます。この不安感がより強い症状を引き起こす可能性があります。
(2)からだの症状
呼吸に問題が生じることで、交感神経(自律神経の一種)や呼吸中枢などが刺激されます。その結果、いろいろな症状がからだに現れはじめます。
- 息苦しい
- 手足がしびれる
- 動悸がする
- 脈が早くなる(頻脈)
- めまいや吐き気
- 胸がしめつけられる
- けいれんや意識消失
3.過換気症候群・過呼吸の原因
過換気症候群・過呼吸の原因には、ストレスや不安が関係していると考えられています。呼吸が苦しくなる以外の症状は、発作により息を吐きすぎたことで、血中の二酸化炭素濃度が下がった結果引き起こされます。
過換気症候群・過呼吸を誘発する恐れがあるもの
(1)精神的ストレス
不安・恐怖・緊張など精神的なストレスがあると、これらが引き金となり過換気症候群・過呼吸の発作が生じる恐れがあります。
(2)性格
几帳面・神経質・心配性な方は、過換気症候群・過呼吸の発作を起こしやすいと言われています。
(3)肉体的疲労
運動後や睡眠不足なども呼吸中枢を過剰に刺激して、過換気症候群・過呼吸の発作を誘発する恐れがあります。
発作後の症状が起きてしまうメカニズム
発作でたくさんの息を吐く
↓
血液中の二酸化炭素が呼気で体外に排出される
↓
血液がアルカリ性に傾く
↓
体内のバランスが崩れ、いろいろな症状が現れる
4.過換気症候群・過呼吸の治療
過換気症候群・過呼吸の治療は、発作が起きているときと起きていない時で方法が異なります。
過換気症候群・過呼吸は、繰り返す傾向があるため、両方の治療に力を入れる必要があります。
(1)発作が起きたときの治療法
- 呼吸法:意識的にゆっくり呼吸をしたり、一瞬呼吸を止めたりすることで発作を鎮めます
- 紙袋再呼吸法(ペーパーバック法):はいた息を紙袋に入れて、それをもう一度吸い込みます。血液中の二酸化炭素濃度を上げることが目的です。以前は過換気症候群・過呼吸の対処法として一般的でしたが、現在では酸素不足になり窒息する恐れもあるとしてこの方法は勧められていません。
- 抗不安薬の使用:不安を和らげ、発作を鎮めます
(2)発作が起きていないときの治療法
- 心理療法:考え方や行動を変えて、不安やストレスを軽くする方法を学びます。
- 薬物治療:予防的に抗不安薬を服用します。
過換気症候群・過呼吸は、ストレスとの関連が深い病気です。ストレスを上手に解消してこころとからだを穏やかに保つことにより、過換気症候群・過呼吸の症状が改善する事が多くあります。
特に病院の検査で問題がない場合は、自律神経のバランスの乱れの原因が多く診られます。過換気症候群・過呼吸は、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。
コリン性蕁麻疹(こりんせいじんましん)とは、汗をかいた時に皮膚に赤いポツポツができる病気です。この赤いポツポツは膨疹(ぼうしん)と呼ばれ、コリン性蕁麻疹は蕁麻疹の一種です。
コリン性蕁麻疹は、子供さんから若い世代の成人に多く発症する傾向があります。原因は不明ですが、汗がでるときに現れやすい傾向があります。コリン性蕁麻疹の主な治療法は、抗ヒスタミン薬などを使用した薬物治療です。しかし、小児の場合は数ヶ月から数年で自然に治ることもあります。
汗をかきやすい運動時や入浴時に、体のどこかでかゆい部分があり見てみたら赤いポツポツがある。そのような場合は、コリン性蕁麻疹の可能性があります。
コリン性蕁麻疹を治すためには、コリン性蕁麻疹の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、コリン性蕁麻疹を治したい方のために、コリン性蕁麻疹の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
1.コリン性蕁麻疹とは?
コリン性蕁麻疹とは、蕁麻疹(じんましん)の一種です。蕁麻疹は、何らかの影響で皮膚の一部が赤く盛り上がり(膨疹)、時間が経てば消えていきます。
コリン性蕁麻疹の膨疹は、体温が上昇して汗をかいたときに出やすい傾向があります。そのため、コリン性蕁麻疹の場合、この「何らかの影響」が汗だと考えられています。
コリン性蕁麻疹で生じる膨疹の大きさは、1~4ミリ程度の小さなものです。この膨疹は、多くの場合かゆかったり痛かったりします。小さな膨疹がつながって大きく見えることもあります。
コリン性蕁麻疹は10~20代の年代に多い傾向があり、小児の場合は自然に治ることも多いと言われています。しかし、何日も症状が続くようであれば、他の病気の可能性もあるため、早めに医療機関を受診したほうが良いでしょう。
2.コリン性蕁麻疹の症状
コリン性蕁麻疹の症状は、「汗をかいたときに出やすい」という特徴があります。膨疹は多くの場合、30分から1時間ほどで消失します。コリン性蕁麻疹では、かゆみと同時に痛み(稀に激痛)も生じることが多いと言われています。
コリン性蕁麻疹は発汗刺激により生じることが多いですが、ストレス・疲労・不安・興奮なども、コリン性蕁麻疹を引き起こす恐れがあります。
(1)コリン性蕁麻疹の主な症状
- かゆい
- 小さな膨疹ができる
- チクチク、ピリピリした痛みがある
(2)コリン性蕁麻疹の症状がでやすいタイミング
- 入浴時
- 運動時
- 緊張しているとき
- 夏などの暑い時期
- 辛いものを食べたとき
(3)その他のコリン性蕁麻疹の特徴
- 夏に症状が悪化しやすい(汗をかきやすいため)
- 発症ピークは小児から20歳代で、年齢を重ねるごとに症状が軽くなる傾向がある
3.コリン性蕁麻疹の原因
コリン性蕁麻疹の原因は、残念ながらはっきりわかっていません。しかし、コリン性蕁麻疹は運動・入浴・緊張したときなどに症状が出やすいことから、これらに共通する「汗」が強く関係しているのではないかと考えられています。
どうして汗がコリン性蕁麻疹の引き金となってしまうのでしょうか?これに関わっているのは「ヒスタミン」という成分です。ヒスタミンは通常細胞の中に貯蔵されており、何らかの外部刺激が加わると細胞外に放出されます。コリン性蕁麻疹の場合、この外部刺激が「汗」ということになります。
それでは、もう少し詳しく皮膚で起こっていることをご説明いたしましょう。
汗がアセチルコリンを誘発する
↓
アセチルコリンが肥満細胞を刺激する
↓
肥満細胞からヒスタミンが放出される
↓
放出されたヒスタミンが血管や神経を刺激する
上記のように、いくつもの成分や細胞が連鎖的に反応することでコリン性蕁麻疹の症状が引き起こされます。血管が刺激されると血漿成分が細胞外に滲みでて皮膚が膨れ、神経が刺激されるとかゆみが誘発されるためかゆくなってしまうのです。
4.コリン性蕁麻疹の治療
コリン性蕁麻疹の治療は、薬物治療が中心となります。ストレスによる精神的緊張が原因と考えられる場合は、ストレスを緩和するために心理療法なども試されます。
(1)コリン性蕁麻疹の薬物治療
- コリン性蕁麻疹の原因と考えられている「ヒスタミン」の作用を抑える薬を服用します。
- 精神的な影響が大きいと考えられる場合は、漢方薬や抗不安薬が処方される場合もあります。
(2)日常生活でできること
コリン性蕁麻疹の症状を悪化させないためには、悪化因子をさけることも重要なポイントとなります。できる範囲で気をつけてみましょう。
- 熱いお湯でお風呂に入らない
- 汗をかいてしまったら、なるべく早く体温を下げる
- 過度な緊張や不安を避ける
- ストレスや疲労をためない
コリン性蕁麻疹は、自律神経のバランスとの関連が深い病気です。物理的・精神的にこころやからだを穏やかに保つことにより、コリン性蕁麻疹の症状が改善する事が多くあります。コリン性蕁麻疹は、自律神経のバランスを整え、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。
ジストニアとは、持続的に筋肉の収縮が起きるために生じる運動障害の総称です。この筋収縮は自分の意志でどうにかできるものではないため、姿勢異常や意志とは異なる運動パターンを示しはじめます。
ジストニアの症状は筋肉で起きるので筋肉の病気と思いがちです。しかし、実はそうではありません。筋肉に「こういう動きをしてください」と命令を出す脳が正しい指令を出せていないことが招いてしまった結果と言えます。すなわち、ジストニアは脳が原因の神経疾患なのです。
脳に原因があるのではないかとわかっていても、これをすれば確実に治るという治療法がジストニアにはありません。いくつかの選択肢の中から、自分にあった治療法を試して、症状を和らげたり進行を遅らせたりする必要があります。
ジストニアを治すためには、ジストニアの症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、ジストニアを治したい方のために、ジストニアの症状・原因・治療について詳しく説明しております。
1.ジストニアとは?
ジストニアとは、体のさまざまな場所で異常な筋肉収縮が持続的に起きる病気です。からだが自分の意志とは異なる動きをするため、日常生活にいろいろな不具合が生じてしまいます。
私達は普段、自分の思うように体を動かしています。これを「随意運動(ずいいうんどう)」といいます。これとは逆に、自分の意志とは無関係に体が動いてしまうことを「不随意運動(ふずいいうんどう)」と呼びます。ジストニアは、不随意運動の一種です。
この不随意運動は、全身のどの筋肉でも起こる可能性があります。ジストニアの症状は筋肉に現れますが、大元の原因は脳にあると考えられています。ジストニアは、中枢神経系が障害されることにより生じてしまった運動障害の総称です。
ジストニアの中には、決まった動作をするときにだけ症状が現れるものがあります。音楽家や美容師など、繰り返し同じ動作をすることで発症してしまう後天的なジストニアはこれに含まれます。
2.ジストニアの症状
ジストニアの症状は、筋肉の異常収縮です。症状が全身に現れる場合を「全身性ジストニア」、症状が首・足・手など一部に現れる場合を「局所性ジストニア」と呼びます。
症状はおおむね一定で、朝は軽く午後から夜にかけて症状が重くなる傾向があります。ストレスがたまると悪化しやすいとも言われています。
(1)全身性ジストニアの症状
下肢や体幹部など、広い範囲でジストニアを発症します。体がねじ曲がったり、反り返ったりします。
(2)局所性ジストニアの主な症状
- 眼瞼痙攣(がんけんけいれん):まぶたが勝手に収縮してしまうので、まぶたを開けにくくなります。ひどくなると目を開けていることが難しくなります。
- 痙性斜頸(けいせいしゃけい):首が左右上下のどれかに傾いたりねじれたりします。頸部ジストニアとも呼ばれます。
- 書痙(しょけい):字を書こうとしても手が震えたり痛みが発生したりするため、字を書くことが難しくなります。
- 痙攣性発声障害(けいれんせいはっせいしょうがい):声が詰まったり震えたりして、声が出しづらくなります。
3.ジストニアの原因
ジストニアの原因は、脳にある筋肉の収縮に関する場所が何らかの原因で障害されることによるものと考えられています。症状は筋肉で起きていますが、その原因は脳にあるということです。
では、なぜ脳が障害されてしまうのか?そうなってしまう原因により、ジストニアは大きく3つに分けることができます。
(1)原発性(本態性)ジストニア
原因がよくわからないジストニアです。
(2)二次性ジストニア
原因となる要素がわかっているジストニアです。原因となる要素には、以下のようなものが挙げられます。
- 薬剤の影響(向精神薬などの長期服用)
- 他の病気の影響(脳血管障害、脳炎など)
- 同じ動作を長期間続けたことの影響
- 頭部の手術や外傷の影響
(3)遺伝性ジストニア
遺伝子の異常が原因と考えられるジストニアです。遺伝性ジストニアの多くは、幼児期から成年期にかけて発症します。症状が進行していくため、発症早期に治療を開始したほうが予後は良いとされています。遺伝性ジストニアは、難病に指定されています。
4.ジストニアの治療
ジストニアの治療方法は、残念ながら確立されていません。ジストニアの症状が起きている部位や状態により有効とされる治療法が異なるため、その方にあった治療法が選択されます。
(1)薬物療法
不快な症状を和らげるために、抗コリン薬・抗不安薬・抗パーキンソン薬などが使用されます。
(2)神経ブロック
麻酔を使用して人工的に神経を麻痺させます。不随意運動の軽減が期待できます。
(3)外科的治療(手術)
(4)鍼灸治療
ツボを刺激して、脳の興奮を鎮めたり筋肉の緊張を和らげたりします。薬を使い続けたが効果が見られない、薬を使わずに治したい、副作用が心配と考える方には良いかと思います。
ジストニアは、思うように体が動かなくなってしまうつらい病気です。心身のストレスを減らすことによりジストニアの症状が改善する事が多くあります。ジストニアは、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。
舌痛症とは、舌に外見上の異常がみられないのにもかかわらず、舌がひりひりしたり、しびれるような感じが続いたりする病気です。舌痛症は別名、口腔内灼熱症候群(こうくうないしゃくねつしょうこうぐん:バーニングマウス症候群)ともよばれます。
男性より女性のほうが舌痛症を訴える割合が多く、年齢別だと40代~60代に多くみられます。舌痛症などの慢性的な疼痛は大きな心理的ストレス後にかかりやすいと言われています。
舌痛症の特徴として、食事中や口に何かが入っているとき、会話をするときには痛みを感じないことが多く、また、舌痛症の症状でお悩みの方の約6割の方に味覚障害を伴うことが報告されています。
舌だけでなく、くちびるや上あごの粘膜などに痛みが生じることもあります。しかし、食事中に痛みは感じにくいようで、むしろガムなどを噛んでいる方が痛みを感じにくいことが多いようです。
舌痛症を治すためには、舌痛症の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、舌痛症を治したい方のために、仮面うつ病の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
1.舌痛症とは?
舌痛症とは舌をはじめとする、口の中の粘膜に痛みが生じる病気です。舌痛症の特徴として、視診や触診ではこれといった異常がみられないのに、舌に痛みや熱さを感じるといった特徴があります。
国際的には、舌痛症は「口の中のヒリヒリ、カーッとした痛みまたはピリピリした不快な異常感覚が、1日に2時間以上で3カ月以上にわたって連日繰り返すもので、臨床的に明らかな原因疾患を認めない病態」と定義されています。
また、舌痛症の痛みは食事をしているときや会話をしているときは気にならないことが多く、じっとしているときに舌の痛みが気になるという方が多いようです。ですから、無意識にガムを噛んでいると言った方が多く見かけられます。
痛みの訴えは主観的なものであり、他人が推し量ったりすることが難しいために、他人や家族などからも理解してもらえないことが多く、ストレスを感じられる方も多いようです。
痛みの度合いは1日のうちで変化し、睡眠不足やストレス、暑いものや辛い物などの刺激物質でも悪化します。ビタミンB・亜鉛の不足や貧血、糖尿病、感染症、薬の副作用や、歯科治療での金属物のアレルギーなども同様の症状を呈するため、鑑別が必要なこともあります。
2.舌痛症の症状
舌痛症の症状には、以下に挙げられるような症状がみられます。
- 舌に痛みがあるが、見た目の異常は認められない
- 舌だけでなく、唇や上あごなどの粘膜にもヒリヒリ、ピリピリ、ジンジンした感じや熱い感じがする
- ヒリヒリした感じやピリピリした感じが3ヶ月以上続いている
- 舌の痛みは日によって場所や痛さの程度が違う
- 食事や会話をしているときには痛みが気にならない
- 口が乾燥している感じがする
- 口の中がざらざら、べとべとしている感じがする
- 味覚が異常、変わった感じがする
- 舌の置き場がわからないような感じがする
このような症状に当てはまる方がいれば、舌痛症の可能性があります。痛みだけではなく、口の中の違和感も含まれます。口腔内が乾燥すると症状が現れやすく、痛みで目が覚める、眠れないという訴えは聞かれません。
3ヶ月以上続く原因がわからない舌の痛みでお悩みの場合は、一度歯科医院や口腔外科などの専門の医療機関を受診しましょう。
3.舌痛症の原因
舌痛症のはっきりとした原因は、残念ですが現在までのところ明らかになっていません。
しかしながら、舌痛症は40代~60代の女性に多くみられる病気であることから、ホルモンバランスや自律神経の乱れなどが関係している可能性が考えられています。
家事や仕事が忙しかったり、疲れがたまっていたり、風邪や病気を発症していたときなどをきっかけに舌痛症を発症される方も多いことから、「ストレス」との関係性も指摘されています。
「ストレス」という点で、家庭環境、社会環境、人間関係の変化などの精神的な原因も舌痛症の発症を引き起こす可能性があるようです。例をあげますと、引っ越しや結婚、離婚、仕事での部署替え、子どもの独立などの転機が原因となることもあるようです。
また、歯並びを矯正するための器具や入れ歯、かぶせ物などによる物理的刺激のほか、金属アレルギーも人によっては舌痛症の原因となる場合があり、味覚障害を伴う舌痛症であれば血中の亜鉛不足が原因となっていることもあります。
他にも、薬の副作用や糖尿病、貧血、ウイルスなどによる感染症などにより、同様の症状が現れることもあります。その場合には原因となる病気の治療が最優先となります。
4.舌痛症の治療
先ほどもお話ししたように舌痛症は原因がわかっておらず、その症状に対する治療、つまり痛みのケアが主なものになります。
一般的に行われる治療方法としては、お薬を用いた薬物治療やホルモン治療などがあります。薬物治療で使用されるのは、消炎鎮痛薬、うがい薬、抗うつ薬などです。
しかしながら、このどれもがはっきりと舌痛症に対して十分に効果を示すというわけではなく、人によって効果はさまざまです。このような治療方法で舌痛症の痛みが軽減する方もいれば、何もしなくても自然と舌痛症が改善される場合もあります。
矯正器具や入れ歯、かぶせものなどが原因となっている場合は、医療機関で器具の調整等を行う必要があり、亜鉛が不足している場合には亜鉛剤を服用する必要があります。
日常生活のストレスにより、舌痛症が生じている場合もありますので、その場合は心療内科や精神科などでのカウンセリング治療を行うことにより舌痛症が改善する可能性もあります。
日常生活の中でストレス軽減を行い、痛みとうまく付き合って行くのが最善の方法です。ストレス発散のための軽い運動や外出など気分転換ができるようにしてみましょう。不眠のストレスなども影響を及ぼします。規則正しい生活を心がけましょう。
また抗うつ剤と聞くと、抵抗を感じる方も多くいらっしゃいます。しかし、舌痛症のように舌だけに限らず、慢性的な痛みに悩まされている方には同様の身体的、環境的な傾向があると言われています。
ストレス軽減のための精神科や心療内科での受診は日本以外の外国ではよく行われている治療です。特に抗うつ剤は慢性的な痛みに効力を発揮することがありますので、医師と相談してみましょう。
他人に理解してもらいにくいストレスも舌痛症を悪化させます。家族や友人など身近な方の協力やサポート、理解も重要です。長期にわたる舌痛症でお悩みの方は、専門の医療機関で思い当たる原因などを相談し、ご自身にあった治療方法を試してみましょう。
舌痛症は舌に何らかの異常がみられないにもかかわらず、舌をはじめとする、くちびるや上あごなどにピリピリした感じやじんじんする熱さを感じる病気です。
舌痛症でお困りの方にとって、見た目でもわからず、周囲の人にも理解してもらいづらいため、一人で不安になってふさぎ込んでしまう場合も多くあります。また薬物などでの治療も効果を示しにくく時間がかかるために、いくつかの病院や診療科にかかられる方もいらっしゃるようです。
カウンセリングや慢性疼痛などのお薬など精神科や心療内科の受診や治療に強い抵抗を示される方もいらっしゃるため診断に時間を要することもあります。
舌痛症について詳しく知ることで不安を解消することができ、また日常生活の改善、家族の理解やサポートも症状を和らげることがあります。どうぞ諦めないでください。
仮面うつ病とは、本当はうつ病であるのに、身体的な症状のほうが大きく前面に出ているために、うつ病が覆い隠された状態、仮面を被ったような状態であるためにこのようにいいます。
うつ病は精神的な病気で、憂うつな気分が続くことや様々な意欲の低下がみられる心理状態のことをいい、日本においてもうつ病は自殺につながる重大な疾患として認識されています。
また、うつ病の患者数はこの10年で18%も増加しており早急な対策が必要とされています。その一方で、仮面うつ病のように、うつ病が覆い隠されている状態では自分がうつ病であるという自覚がなく、正しい診断にいきつくまで時間がかかって治療が遅れてしまう場合もあります。
仮面うつ病は精神的な症状に乏しいものの、身体症状に関してさまざまな検査をしても原因がわからず、悩んでおられる方もたくさんいらっしゃいます。また、抗うつ剤などの薬はハードルが高く拒否されることも多いために、治療に時間を要します。
現在の日本ではまだまだ精神科や心療内科への敷居が高く、紹介を受け入れられない、拒否するなど、治療が進まないのも確かです。体調が悪いのにも関わらず原因も判明せず、さまざまな医師にかかる、異なる診療科へ受診するなど診断に行き着きにくいのも事実です。
仮面うつ病を治すためには、仮面うつ病の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、仮面うつ病を治したい方のために、仮面うつ病の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
1.仮面うつ病とは?
仮面うつ病とは、「憂うつな気分」や「意欲低下」、「興味の喪失」などの精神的な症状がほとんど見られず、「頭痛」や「めまい」などをはじめとする身体的症状が前面に見られ、うつ病が覆い隠された状態をいいます。
本当はうつ病であるのに、身体的症状が目立つため、「仮面を被ったうつ病」という意味で「仮面うつ病」と呼ばれています。精神的症状が目立たないため、自覚症状がないことはおろか、医療機関で仮面うつ病と診断されて驚くことも多々あります。
また、仮面うつ病はうつ病と診断されずに自律神経失調症や不安神経症、更年期障害などと診断されることもあり、これらの診断のなかにうつ病が潜在している可能性も指摘されています。
特に軽度のうつ病の場合には、精神症状より身体症状の方が強く出る傾向にあります。またその症状は日常的にみられるごくありふれた症状で、特別なものではないために非常にわかりにくいものです。
2.仮面うつ病の症状
仮面うつ病では、精神症状より身体症状が強く出ますが、その症状は特徴的なものではなく、日常的なものです。仮面うつ病は、以下のような身体症状の訴えが多くなります。
- 睡眠障害
- 寝つきが悪い(入眠障害)
- 眠りが浅く、夜間に何度も目が覚める(熟睡障害)
- 早朝に目が覚めて、眠れなくなる(早朝覚醒)
- 夢ばかり見て、すっきり眠れた感じがしない(多夢)
- 消化管症状
- 食欲がない、吐き気がする
- 胃が痛い
- 便秘ぎみ、下痢ぎみである
- 頭が痛い
- めまいがする
- 肩がこる
- 胸が苦しい、動機がする
他にも性欲減退や生理不順、インポテンツなどの性障害や味覚障害、口の渇きといった症状も見られることがあります。しかし代表的なものは倦怠感と睡眠障害です。
これらは、うつ病における身体的症状と共通しています。日常的によくみられる、ありふれた症状でもありますので、それほど本人が深刻に捉えてない場合もあり、正しく仮面うつ病と診断されるには時間を要することがあります。
長期に渡ってこれらの症状がみられるなど、気になることがあれば仮面うつ病の可能性も考えて精神科や心療内科などの医療機関の受診も検討しましょう。
3.仮面うつ病の原因
仮面うつ病の本質はうつ病なので、うつ病の原因が仮面うつ病の原因となっています。
うつ病の原因とひとことでいっても、うつ病の原因は未だにはっきりとわかっていないことが多いのですが、脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンやセロトニンが少なくなることが原因だと考えられています。
こうした神経伝達物質が減少してしまう原因としては「ストレス」があげられます。特に、現代社会では労働におけるストレスや情報過多におけるストレス、人間関係におけるストレスなど、様々な場面でストレスを受けやすい状況が多く存在していると考えられています。
また、うつ病になりやすい人として、完璧主義や真面目で責任感が強い、規則や秩序を重んじる、気を遣いやすい、といった性格の人がなりやすいと言われています。
中でもよく言われるのが、メランコリー親和型性格と呼ばれる几帳面で仕事において手を抜けない性格で適当にできず、与えられた課題を無理にこなそうとするために、疲労を溜め込みすぎてうつ状態にまで進行します。
また人を傷つけたり、義理を欠く事ができずに、家族や会社などでの今まで続いていた関係が変化したその時にうつになりやすいと言われています。結婚や離婚、転職、引っ越し、身近な人の死などが起こると、仮面うつ病のきっかけとなります。
4.仮面うつ病の治療
仮面うつ病の治療にはカウンセリングや薬物治療法などがありますが、身体的な症状が前面にあらわれる仮面うつ病ではお薬による薬物治療が中心となってきます。
仮面うつ病ではお悩みの方は、うつ病だという自覚のない方がほとんどですが、これらのお薬を服用することによって身体的な症状がぴたりと治まったという方もたくさんいます。
また休養をとることも大切です。抗うつ剤は即効性があるのではなく徐々に効いていきます。薬を飲んでいるからといって頑張りすぎると効果も挙げられません。仕事量を減らすなど、調整しましょう。
抗うつ剤については、抵抗がある方も少なからずいます。しかし、薬を飲まずに頑張るよりも、薬を飲んで一旦症状を落ち着けてから、元の生活に戻していきましょう。また内服も自己判断で辞めずに、医師と相談しましょう。
また、仮面うつ病では精神的な自覚症状がほとんどないので、頑張りすぎないことや、規則正しい生活習慣をおくること、適度な運動などでリフレッシュすることなどを日常生活のなかで気を付けることが大切です。
具体的には、無理な仕事は請け負わない、再発防止のために無理な課題は断る勇気を持つ事が大切となります。また家族や周囲の人は、比較的早く症状に気付きやすい傾向にあります。お気付きになった際には、受診を促していただくなどの協力があれば精神的な不安も減らすことができるでしょう。
仮面うつ病は、精神的な症状がさほど目立たず、身体的な症状が全面に出ているうつ病のため、うつ病と自分でも気づかずに頭痛やめまい、睡眠障害などで悩まされている方が多い病気です。
そのため、医療機関を受診してもなかなか診断がつかないことが多く、お困りの方も多くいらっしゃいます。このような場合には、症状が良くならないためにさまざまな病院や診療科、医師の元を訪れる人も多いと言われています。
お薬を飲んでもなかなか良くならない場合も多くあります。自律神経のバランスの乱れを戻すことにより改善することも多くあります。仮面うつ病でお困りの方は、症状や治療方法などについてしっかりと理解することが重要です。どうぞ一人でお悩みにならないでください。